量子多体系における非平衡現象や非平衡物性、統計力学に興味をもって物性物理の理論研究をしています。
量子多体系の舞台として、固体結晶中で相互作用する電子の集団 (固体電子系)、レーザーによってトラップされて極低温まで冷却された原子の集団 (冷却原子系)などがあります。それらの系に外から力を加えたり振動させたりすることで非平衡状態にすると何が起きるでしょうか?一見すると非平衡にすることで秩序が乱され、外から加えたエネルギーが熱に変わって、量子系の面白い性質が掻き消えてしまうように思われます。ところが、非平衡にすることで平衡状態では実現できなかった秩序や物性が発現する例が実験的、理論的に見つかってきています。それらの現象を理解し、さらに非平衡物性の可能性を広げていくことを目標にしています。
新着情報
・2024/11/18 望月健さん(東大)による統計力学セミナー “Measurement-induced spectral transition and entanglement transition” が行われました。
・2024/11/11-12 国内研究会「非平衡固体物性の最前線2024」を京都大学にて開催しました。
・2024/10/10 辻が名古屋大学物性談話会(豊田理化学研究所共催)にて講演「超伝導体の集団励起モード: 現代の視点から」を行いました。
・2024/10/02 Gerrit Niederhoffさんが外国人研究者(大学院生)として研究室メンバーに加わりました。
・2024/09/16-19 北海道大学で行われた日本物理学会年次大会に参加しました。
・2024/08/03-05 辻が物性若手夏の学校で集中講義を行いました。講義ノート(long ver.)とJuliaサンプルコードを公開しました。
・2024/06/27 修士課程の永島来悟さんと行った研究を紹介する動画がYoutubeで公開されました。
・2024/06/24-25 科研費基盤研究A「多体励起子の時空間・逆空間イメージングから迫る凝縮体の量子相制御」の2024年度研究会を沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて開催しました。
・2024/06/20 辻がスイス連邦工科大学 (ETH Zurich)にてセミナー講演 “Higgs and Leggett modes and Lifshitz invariant in superconductors” を行いました。
・2024/06/19 助教の高三さんの研究が現代化学2024年7月号に取り上げられました。
・2024/06/17 辻が国際会議 “Trends in the Theory of Quantum Materials” (フリブール大学)にて招待講演をしました。
・2024/05/30 Pasquale Marraさん(東大)による統計力学セミナー “Majorana modes, topologically nontrivial stripes, and inhomogeneous superconductivity in 2D topological insulator/superconductor heterostructure” が行われました。
・2024/05/15 物性若手夏の学校(2024)の講義ノート(short ver.)を公開しました。
・2024/04/04 修士課程の松浦修大さんが研究室メンバーに加わりました。
・2024/04/01 科研費基盤研究A「多体励起子の時空間・逆空間イメージングから迫る凝縮体の量子相制御」(研究代表者: 辻)が採択され、研究プロジェクトが発足しました。
・2024/03/27 辻がCollege de France (Paris, France)にてセミナー講演 “Quantum many-body scars with unconventional pairings” を行いました。
・2024/03/26 辻がアンリ・ポアンカレ研究所で行われたENS Paris-UTokyo workshopにて招待講演をしました。
・2024/03/21 牛原啓さんと西村俊祐さんが修士課程を修了して修士号を取得しました。
・2024/03/18 論文 “Exact steady states of the impurity-doped XXZ spin chain coupled to dissipators” (C. Matsui, N. Tsuji, J. Stat. Mech. 033105 (2024))が出版されました。
・2024/03/06 Titouan Mouilleronさんが外国人研究者(大学院生)として研究室メンバーに加わりました。
・2024/01/30 論文 “Classification of Lifshitz invariant in multiband superconductors: An application to Leggett modes in the linear response regime in Kagome lattice models” (R. Nagashima, S. Tian, R. Haenel, N. Tsuji, D. Manske, Phys. Rev. Research 6, 013120 (2024))が出版されました。プレスリリースを出しました。
・2023/12/27 論文 “Nonequilibrium DMFT approach to time-resolved Raman spectroscopy” (P. Werner, M. Eckstein, N. Tsuji, Phys. Rev. B 108, 245157 (2023))が出版されました。
・2023/11/24 品岡寛さん(埼玉大)による統計力学セミナー “Quantics Tensor Cross Interpolation for High-Resolution, Parsimonious Representations of Multivariate Functions in Physics and Beyond” が行われました。
・2023/11/17 増木貫太さん(東大)による統計力学セミナー “Cavity QED control of quantum materials” が行われました。
・2023/11/13-14 国内研究会「非平衡固体物性の最前線」を東大本郷キャンパスで開催しました。助教の高三さんが招待講演を行いました。
・2023/11/10 川畑幸平さん(東大物性研)による統計力学セミナー “Lieb-Schultz-Mattis Theorem in Open Quantum Systems” が行われました。
・2023/11/08 Yuriko Babaさん(Complutense University of Madrid)によるセミナー “Chern number tuning in QAH systems” が行われました。
・2023/10/16-18 柏で行われた国際会議 “Trends in the Theory of Quantum Materials 2023” に参加しました。助教の高三さんが招待講演を行いました。
・2023/10/10 レビュー論文, “Higgs and Nambu-Goldstone modes in condensed matter physics” (N. Tsuji, I. Danshita, S. Tsuchiya, Encyclopedia of Condensed Matter Physics 2nd ed., Vol. 1, 174 (2024)), “Floquet States” (N. Tsuji, Encyclopedia of Condensed Matter Physics 2nd ed., Vol. 1, 967 (2024))が出版されました。
・2023/09/22 Huanyu Zhangさんが修士課程を修了して修士号を取得しました。
・2023/09/20 11月13-14日に行われる研究会「非平衡固体物性の最前線」のウェブサイトを立ち上げました。
・2023/09/16-19 日本物理学会年次大会にて、辻、助教の高三さん、特任助教の今井さん、修士課程のZhangさん、牛原さん、西村さん、永島さんが研究発表しました。
・2023/09/04 辻が研究会 “Microscopic approach from pair correlation to pair condensation” (大阪大学RCNP)にて招待講演をしました。
・2023/08/21 辻が研究会 “強相関電子系のフロンティア” (名古屋大学)にて招待講演をしました。
・2023/08/07-11 統計物理学国際会議(Statphys28)にて、辻、助教の高三さん、修士課程のZhangさん、牛原さんが研究発表しました。
・2023/06/02 特任助教の今井渉平さんによる統計力学セミナー “Theory of attosecond dynamics of electrons in solids driven by optical electric fields” が行われました。
・2023/05/31 辻がMax Planck Institute for Solid State Research (Stuttgart, Germany) にてセミナー講演 “Nonlinear response in superconductors and beyond” を行いました。
・2023/04/20 辻が数理科学に渡辺悠樹氏の著書「量子多体系の対称性とトポロジー」(サイエンス社)の書評を書きました。
・2023/04/03 今井渉平さんが特任助教として着任しました。高橋慶伍さん、開田亮佑さん、永島来悟さん、中本大河さんが研究室メンバーに加わりました。木村聡子さんがアシスタントとして加わりました。
・2023/03/31 辻がIBS CCES (ソウル大学)にてオンラインセミナー講演 “Collective modes in superconductors: a new perspective from nonlinear terahertz responses” をしました。
・2023/02/17 研究室の改装工事が終わり新しい研究環境になりました。
・2023/02/08 論文 “Spin-polarized spatially indirect excitons in a topological insulator” (R. Mori et al., Nature 614, 249 (2023))が出版されました。
・2023/01/31 レビュー論文 “Floquet States” を公開しました。(arXiv:2301.12676)
過去の新着情報はこちら。
研究室紹介スライド
研究紹介ビデオ
修士課程の永島来悟さんと行った研究を紹介しました。(理学部プレスリリース(2024.01.30)より)
助教の高三和晃さんが高校生にもわかるように研究内容の紹介をしました。(理学部 高校生のための冬休み講座2022 Onlineより)
研究室連絡先
〒113-0033
東京都文京区本郷7-3-1 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻
辻 直人
E-mail: tsuji [at] phys.s.u-tokyo.ac.jp